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ギアドライブトローワークス

 

海洋石油掘削の大水深化
話題性のあるものとして、海洋では大水深掘削であり、主に北海の西シェトランドをはじめ、西アフリカ沖、ブラジル沖、メキシコ湾などが、近年脚光を浴びている。特に、メキシコ湾では「SHELL社」、「AMOCO社」、「MOBIL社」、「TEXACO社」が共同で、大水深掘削に挑戦するなど、非常に話題性の高い海域で、いくつものプロジェクトが存在している。中でも実績のあるプロジェクトとして、「ディープスタープロジェクト」は有名である。メキシコ湾の大水深開発に係わるプロジェクトとして、テクニカルセッションの中でも発表されていた。
これらの海域での操業は、一段と大水深化が進み、この傾向から、リグのアップグレード(大水深化)も盛んに行なわれるようになった。これまでの500m前後の稼働水深を有するリグを、デッキロードやスタビリティーを増やすなどの改良を加え、稼働条件(高い稼働率、高いリグレート)の良い大水深海域ヘテリトリーを広げようとするものである。こうしたリグが新世代リグの独占市場だった大水深海域へ新規参戦することで、市場全体のリグの稼働率を上げる要因になっている。
改造については、リグをドライドックに入れ、Blister Tankを従来のコラムに抱かせることで浮力をつけ、大水深化に伴うアンカーチェーンあるいはライザーなどの重量増を補うものである。こうした工事が、現在、ほのかなブームになっており、出展していた「VEROLME BOTLEK社」(ヨーロッパの大手造船所)でも、既にアップグレードしたリグは、DIAMONDOFFSHORE社の「Ocean Bounty」、「Ocean Nomad」などを始めとする10基近いリグを手掛けている。
また、いずれのリグも1970年代後半から1980年代初めに建造された「第二世代リグ」であり、建造から20年前後を経過したリグである。アップグレードは、長く続いた不況により、コントラクターには新造リグを建造する体力がないことから、直接老朽化したリグの延命にも結びつき、ブームのきっかけになっている。

 

 

 

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